空と雪と葡萄色

PC版スカイリムの妄想ロールプレイ日記置き場

42話 - 世界のノド(2) 

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翌朝、ロードの言うとおり空はすっかり晴れ上がっていた。
クレスも馬を持っていたため、一行は順調に街道を進む。

「ねえねえ。あなた達ってどういう間柄なの?」
クレスが隣のロードに話しかける。
「間柄って?」
「色々あるじゃない。旅仲間とか、彼女に雇われている傭兵だとか、恋人とか…」
「ん…そうだな。しいて言えば俺はメルヴィナの護衛かな。こっちのルーシスと彼女は家族だ」
「へえ、そうなの。アハ、ちょっと予想が外れちゃった」
「どういうことだ?」
「あなた達をはじめ見たときね、もしかしたら三角関係だったりして…なんて思ったのよ。ほら、私が近づいたとき、二人が同時に庇うように前へ出たから」
クレスがそう話すと、ルーシスが吹き出した。
「ハハッ!面白いことを言う。だが、そう見えなくもないか…」
「口調がくだけてたからメルちゃんの本命はルーシスだと思ったんだけどね。家族と聞いて納得したわ」
「なるほど。…どうするロード、もしも私がメルの恋人だったら」
「あんたとメルヴィナが家族という関係じゃなかったら、俺はここにいないよ」
「うん?それは…私とメルが恋仲だったら一緒に旅はしていないと。つまり…お前は始めからメルに気があったのか?」
ルーシスの言葉に驚いて、ロードを見る。
「ち、違う。そういう意味じゃなくて…」
慌てて反論しようとするロードを、クレスがニヤニヤと横目で見ている。
「あら?あらあら。…護衛、ねぇ…」
「勘違いしないでくれ。メルヴィナとルーシスが恋人同士なら、彼女はルーシスが守ればいいだろう。俺の出る幕はない。そう言いたかったんだ」
「全くなんの気も無ければ、そんなこと気にしないよなあ」
ルーシスに言われ、気付いたようにハッとしたロードにクレスが続ける。
「そうよねぇ。自分でも気付かないうちに意識してたってこと、あるわよね」
二人に挟まれて黙り込む彼は、頬がほのかに赤みがかっているように見えた。


クレスが加わったせいか普段より賑やかに進む道中、遠くでドラゴンの叫びが聞こえた。
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「あれは…ドラゴン!」
木陰に馬を止め、気付かれる前に下りて様子を見る。
「何よ、あれがドラゴン…!?まさか本当に出くわすなんて!」
驚きを隠せない表情のクレスに、ルーシスが肩を叩く。
「さっそくのお出ましだな。クレス、期待しているぞ」
「…いいわよ。任せて!」

ドラゴンが一人の旅人に狙いをつけて飛んでいく。それを後ろから追いかけた。
「加勢します!」
「あ、ありがてえ!」
ドラゴンと戦う旅人も含めた全員で攻撃を仕掛ける。
私とルーシスは魔法を、クレスは弓で狙う。
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地に降りたドラゴンのブレスをシャウトで中断させ、よろめいた隙にロードとルーシスが剣で斬り込む。
後方から二人の間をすり抜けるように、クレスの矢が的確にドラゴンの目を突き刺した。
堪りかねたドラゴンは一旦飛び立ち、離れた場所へ移った。
「逃がすかよ!」
ロード達が後を追う。
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もう飛ぶ力が尽きたようだった。集中攻撃を受け、ドラゴンは倒れた。


ドラゴンの魂を吸収し、あとに残された骨を見つめてクレスは呆然としている。
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「なに…これ…。あなた一体何をしたの?」
説明は難しかったが、自分がドラゴンボーンであることを彼女に話した。

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「ドラゴン…ボーン…」
彼女は状況が飲み込めないような、複雑な表情を浮かべた。


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日が沈む前にイヴァルステッドへ到着した。
まだ明るかったが、クレスの誘いもあって早めの夕食を彼女と一緒にとることになった。

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「無事イヴァルステッドに到着したお礼で今夜は私のおごりよ!じゃんじゃん飲んで!」
クレスは酒瓶を何本かテーブルの上に置いた。
「ロード、あなたいける口でしょう?さあさあ」
「いや、今夜はそんなに飲まないつもりで…あ、おいっ」
話す途中からジョッキに並々とワインを注ぐ。諦めたのかロードはそれをグイッと飲み干した。
「アハッ。やっぱりいけるわね。もう一杯どうぞ」
「…それじゃ、遠慮なく」
空になったロードのジョッキに、更にワインが注がれた。
「ルーシスは嗜む程度よね?ホニングブリューの蜂蜜酒はどうかしら」
「ありがとう、いただこう」
クレスはルーシスのジョッキに蜂蜜酒を注ぐ。そして私の物にも蜂蜜酒を注いだ。
「ごめんなさい、私はあまりお酒が飲めないので…」
「大丈夫。メルちゃんにはこれをおすすめしておくわ」
そう言って蜂蜜酒を少量入れた後に冷えたミルクを混ぜた。
「ミルクミードか。それならメルヴィナには丁度良いな」
ロードが感心する。
一口飲んで、あまりの飲みやすさに驚いた。
「わあ…甘くてとっても美味しいです」
「でしょ。飲みすぎないようにね?」

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「凄いな、君は…。見ただけで酒の強さが分かるのか?」
ロードがクレスに問いかける。
「ええ。若い頃酒場で働いていたせいかしら。あまり役に立たない才能よね。けどお酒には詳しいわよ、なんでも聞いて頂戴」
「そうなのか。辛口で美味い酒だとどんなものがある?」
「そうねえ…」
クレスは色々な酒の銘柄と味の特徴を説明してロードを唸らせた。

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二人の酒談義を聞きながら食べる料理はいつもより美味しくて。
彼女は退屈しないように私やルーシスにも話題を振って、場を和ませる気遣いも見せた。

「君の弓の腕は確かに素晴らしかった。戦闘中姿が見えなかったが…」
ルーシスが尋ねる。
「ええ。身を隠して攻撃するのが私のやり方なの。けれど、一撃で仕留められる獲物ならともかく、ドラゴンみたいな噂に聞く大物は私のやり方が通じないでしょ?言い方は悪いけど…」
「私達のような、近接攻撃で抑えてくれるおとりが欲しかった、と」
「白状するわ、その通りよ。気を悪くしたらごめんなさいね。まさか本当にドラゴンをこの目で見るとは思わなかったけど、おかげで助かったわ。あなた達ならきっと強いと思ってたのよ」
「言ってくれる。だがはっきりと物を言う性格は嫌いじゃない」
「ありがとう」

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「私は基本的に一人旅なんだけど…たまに誰かと一緒にお喋りをしたくなるの。ほら、一人だと話し相手がいなくて…道中独り言が増えてきちゃって」
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「ハハッ、だろうな。君のような明るい女性が一人旅を好むとは意外だ。口を動かしていないと退屈になるのだろう?」
「そうなの。若い頃はそうでもなかったのよ。歳をとってだんだんとブツブツ言うクセが出てきちゃったの、危険だわ」
ワインを飲みながら面白そうに自分のことを話すクレスにこちらもつられて笑う。

楽しいひとときはあっという間に過ぎてしまった。
クレスは朗らかで私に無いものを持っていた。
こんな女性になりたい。純粋にそう思えるような、彼女はそんな人物だった。


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夕食を共にしたあと、宿の外でクレスと別れの挨拶をする。
「ここでいいわよ、今日は本当にありがとう。おかげで早くお使いを済ませられるわ」
「それは良かったです。こちらこそ、ドラゴン退治に協力してくださりありがとうございました」
「いえいえ。また出会えたら一緒に旅をしたいわね」
「はい、是非!また会える日を楽しみにしています。道中お気をつけて」
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「あら、メルちゃん。嬉しいこと言ってくれるのね。私も、またあなた達に会えたら嬉しいわ。…それじゃあね」
クレスは手を振って去っていった。


宿に戻ったあとも顔を緩ませている私を見て、ルーシス達が笑った。
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「…メル。お前も随分と笑うようになったな」
「そう?…今日の夕食はとても楽しかったの。クレスがいたからね」
「そうだな。彼女は場を明るくする雰囲気を持っている」
「あんなに笑ったのは初めて…」
「フフ。お前がそんなに楽しそうにするなら悪くない。また彼女に会えると良いな」
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「ええ…本当に」

短い間だったが、クレスとの出会いが自分に良い影響をもたらしてくれた事に感謝した。
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Comment

Name - もきゅ  

Title - No title

こんばんわ~、遊びに来ました
こういう道連れって会話も弾むし、いいですよね^^。
メルとルーシスはこれから里帰り(?)ということになるのかな? 楽しみです。

2016.10.26 Wed 22:45
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Name - magmel  

Title - Re: No title

>もきゅ様

こんばんは~、いらっしゃいませ(*・ω・)ノ

ムードメーカー的なキャラがいると会話が浮かびやすくて助かります^^
次回は久しぶりのハイ・フロスガー、いよいよあのお方が登場です。
長い長いお話が待ってますよ~wお楽しみに(?)
2016.10.27 Thu 22:07
Edit | Reply |  

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